千曲川

大島博光記念館へようこそ。
長野詩人会議が中心となって建設運動をすすめ、2008年7月にオープンしました。
愛と抵抗を歌った博光の詩の世界にふれていただけます。


<兄の貞純さんはどうして池袋へ出たのですか?>
兄は高等小学校を卒業したあと、夜学へ行きたいと思ったが、児玉には夜学はなかった。世話をしてくれる人が檀家にいて、池袋に出て、昼間は雑役夫で働きながら夜学に通うことになったんです。

<貞純さんの詩や短歌、エッセイがたくさん(30編以上)雑誌に掲載されていますね?>
詩の勉強もしてないのに何処で書いたのかしらね?先輩の緑川昇さんの勧めで『新世紀』同人に参加したんです。
たくさんの名前(ペンネーム)で書いているので、他にもあるかも知れません。同人費や投稿するお金を出せるわけがなかったので、人の名前を借りたのかも。雑誌もこんなに買えるわけがなかった。仲間が買ってくれたか、読み古しをもらったらしいです。


<大野貞純作品リスト>(書き写しノートより)

1)多摩の川波     大野紫楊
  ・・・
  むかしより むかしの人の恋しさや
   なそかへりこぬ 玉川の浪
                 (『土地の知識』 昭和10年9月号所載)

2)新興短歌    谺紫楊
  生温い風に発酵する脳髄にズドンと一発風穴をあけたい
  靴下を脱ぎ棄てた少女の脚に悩ましく季節が絡んでゐる
  女の飾るタッタ一本の花がこんなにも此処の空気を爽快にするのか
                   (『詩人時代』 昭和十年六月号所載)

3)小曲 四月のこころ   春の日比谷公園
  サイネラリヤが淑やかに呼んだから 何んとなく此処へ来た
                   (『詩人時代』 昭和十年六月号所載)

4)短歌         龍郷児 
  やどりなきけふのこころは山に来て
    ささ鳴く鳥のこゑの

5)詩 錯誤     雉岡蛇夫
  ふとした事に魂をひしがれて
                   (『極光』 昭和十年五月号所載)

6)小曲  スタンプ    六踏園蛙夫
  なつかしき
    故郷の父 胸に抱きて
  スタンプの
    丸き黒跡ぢつと見つむる        (『詩と歌謡』 昭和十年七月号所載)

7)小曲 夢の小匣   六踏園蛙夫
                    (『詩と歌謡』 昭和十年六月号所載)

8)民謡 流線型時代    南斗星丘夢
  背戸の禿山の流線型
                     (『詩と歌謡』 昭和十年四月号所載)

9)小曲 恋の花文字    南斗星泣夢
  恋の花文字抱きしめて
  そっと囁き待ったのに 
                     (『詩と歌謡』 昭和十年四月号所載)

10)詩 諦観     南斗星柩夢
   (夢捨てて田舎に在る旧師に代りて)
  児童を相手に気炎をあげて
                     (『詩と歌謡』 昭和十年四月号所載)

11) 新興短歌    霧丘蛙夫
  チンナの艶笑は洋菓子に灯を點して七月のギャラリーにちらばる
                     (『詩人時代』 昭和十年九月号所載)

12) 童謡 配水塔   六踏園蛙夫
  配水塔 ムッツリ毎日
  大きなお肩に 雀がチュンチュン
                      (『詩と歌謡』 昭和十年十月号所載)

13) 民謡 あの娘恋しや    南斗星柩夢
  あの娘 慕へばなー
  スルリと 逃げるよ
                      (『詩と歌謡と』 昭和十年五月号所載)

14) 小曲 罪に泣く      東京  六踏園蛙夫
  一時の恋の気紛れに
                       (『詩と歌謡と』 第二巻第九号所載)

15) 新興短歌        六踏園蛙夫
                       (『詩人時代』 第八巻所載)

16) 私しやあてない旅寝の鴉
                       (『蝋人形』所載)

17) あこがれ(推薦詩)   東京  谺紫楊
                       (『詩人時代』 昭和十年九月号所載)               

18)微笑        東京  六踏園蛙夫
   K子の最後の手紙に寄す
  清きこころの君とわれ
                       (『詩と歌謡と』 第二巻第八号所載)

19) 短詩  事務室      大野貞純
                       (『新世紀』 第二輯 昭和十年四月所載)

20) 短歌        六踏園蛙夫
                      (『詩と歌謡と』 昭和十年七月号所載)

21) 懐ひ出    龍郷児
                      (『新世紀』 創刊号 昭和十年二月所載)

22) 機関車ハイキング   大野紫楊
                     (『土地の知識』 昭和十年六月号所載)

23) 短歌       谺紫楊
                       (『詩人時代』 昭和十年四月号所載)

24) 小曲 雨の夜のネオン     南斗星泣夢
                      (『詩と歌謡と』 昭和十年五月号所載)

25) 詩  児玉よいとこ      六踏園蛙夫
                      (『詩と歌謡と』 昭和十年九月号所載)

26) 駒下駄ハイキング……歩む心……  大野紫楊    
                (『土地の知識』 第一巻第三号昭和十年八月号所載)

27) 小歌  別れし人に    北落師門柩夢
                      (『詩と歌謡と』 第二巻第三号所載)

28) 八高沿線見聞記    大野紫楊
                     (『土地の知識』)

29) 詩  偶成      大野貞純

30) 詩 (無題) 久遠に屹立せる山があり
                   (10.4.6附書簡より)  

31) 詩 (無題)  涙で張りつめた窓を 
                   (10.4.8)

32) 詩  大事件
                   (10.3.2 手紙より)

33) 小唄  児玉甚句      東京 龍郷児
                    (『蝋人形』昭和九年十月号所載)

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