千曲川

大島博光記念館へようこそ。
長野詩人会議が中心となって建設運動をすすめ、2008年7月にオープンしました。
愛と抵抗を歌った博光の詩の世界にふれていただけます。


(5)ウィルヘルムとパリ

 またつぎのようなポティエの『ウィルヘルムとパリ』と題する詩からも、当時のパリ市民の休戦反対の声をききとることができよう。
 
 ウィルヘルムとパリ
                      ポティエ
 
  ウィルヘルム
 「パリよ おまえの身の 危険のほどを知れ
 おまえの軍隊は まんまとわしの罠に陥ちた
 城門を開け さもないと 包囲してやるぞ!」

  パリ
 「勝手に 包囲しろ!」

  ウィルヘルム
 「よく見てみろ 老人 子供 女たちが
 ふらふらに やつれはてているではないか
 城門を開け さもないと兵糧攻めにしてやる」

  パリ
 「兵糧攻めにしてみろ!」

  ウィルヘルム
 「いまにも 砲口が 火を噴いて
 宮殿も家も 焼いてしまうぞ
 城門を開け さもないと大砲をぶっ放すぞ」

  パリ
 「大砲をぶっ放せ!」

  ウィルヘルム
 「みんながみんな 頑固でもあるまい
 和平を話しあい 取引をするのだ
 さあ おまえの大使は どこにいる?」

  パリ
 「和平なんか くそくらえ!」
                (一八七〇年十一月)

(つづく)

<『パリ・コミューンの詩人たち』>