千曲川

大島博光記念館へようこそ。
長野詩人会議が中心となって建設運動をすすめ、2008年7月にオープンしました。
愛と抵抗を歌った博光の詩の世界にふれていただけます。


 都立三鷹高校の校長だった土肥信雄さんが東京都教育委員会を訴えた裁判で、東京地裁は訴えを退ける判決を下しました。土肥さんは校長のとき、都教委の「職員会議での挙手・採決禁止」通知に対して「教職員の間に自由な討論がなくなっている」と、その撤回を求めて闘いました。都教委はその報復として、定年退職後の非常勤教員としての採用を不合格としたのです。教育への熱意と正義感、実行力がゆたかで生徒たちからも慕われた優れた教育者に対する都教委の業績評価が不当なことは誰の眼にも明らかです。これを不当と見ず都教委を擁護した裁判所の感覚こそが問われていると思います。今日の東京新聞のコラムはこの点を明快に論じています。
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(転載)
東京新聞 コラム「筆洗」2012年1月31日
 千人近い生徒全員の名前と顔を覚え、校門で気さくに声を掛ける高校の校長はまずいないだろう。退職する時、卒業生全員から寄せ書きを贈られた熱血教師は、あることがきっかけで教育現場から排除されてしまう▼東京都立三鷹高校の校長だった土肥信雄さんは二〇〇六年、職員会議で教師が挙手して採決することを禁じる都教育委員会の方針に異を唱えた。二度と戦争をしないために最も重要なことだ、と生徒に語っていた「言論の自由」が奪われることへの危機感からだった▼定年を迎えた〇九年、ほぼ全員が採用される非常勤教員の試験で不合格になった。すべての項目で最低のC評価。都教委に歯向かったことへの報復であることは明らかだった▼「不採用は不当」と土肥さんが都教委を訴えた訴訟の判決がきのう、東京地裁で下された。結果は敗訴。結論が先にあり、理由を後からくっつけたような説得力のない判決だった▼東京や大阪では鋳型にはめ込むように「お上」に従順で物言わぬ教師をつくることに躍起になっている。そんな流れに歯止めをかけるどころか、助長する判決を連発する司法の責任は重い▼三年前の離任式で生徒から渡された「卒業証書」にはこう書いてある。「教育委員会の弾圧にも負けず本校所定の課程を修了したことを証する」。この“宝物”を胸に土肥さんは再び闘いを始める。
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