小見山量平が所蔵していた『武蔵野詩集』草稿の一篇「小河内谷のじじいが歌」(こばやし・つねお)。奥多摩の小河内(おごうち)ダムが米軍基地建設のために作られたこと、反対運動の支援に入った山村工作隊の若者たちの活動の様子が古老の口を通して歌われていて興味がひかれます。
「武蔵野詩集」の作品には府中病院「群灯」詩話会、村山病院どんぐり会、清瀬病院といった書き手の所属を記したものがあります。入院療養中の人たちが病院内の詩のサークルに参加して意欲的に書いていたのですね。
(「武蔵野詩集」)
(「武蔵野詩集」)
「武蔵野詩集」にはメーデー事件を歌った詩が4篇あります。末次正寛「壁」、山路源兵衛「石」、さき・かづ子「私は信じる 強いあなたを」と、きいれまこと「52年のメーデー」です。血のメーデーで殺された仲間を悼んでいます。
(『武蔵野詩集』原稿)