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世界大戦の映画

ここでは、「世界大戦の映画」 に関する記事を紹介しています。
千曲川

大島博光記念館へようこそ。
長野詩人会議が中心となって建設運動をすすめ、2008年7月にオープンしました。
愛と抵抗を歌った博光の詩の世界にふれていただけます。


人生はシネマティック

第2次世界大戦中の1940年5月、北フランスのダンケルクでドイツ軍に追いつめられた連合軍30数万人を救出する作戦が英国により行われました。数万人しか救出できないと試算した英政府のよびかけで漁船や遊覧船など民間の船が自発的に救出に加わり、大きな力を発揮しました。
この史実を描いた映画が相次いで公開されています。「ダンケルク」(2017年公開)や「ウィンストン・チャーチル」(本日公開)。
「人生はシネマティック!」(原題「Their Finest」2017年11月日本公開)もこれにつながる映画です。
情報省映画局はダンケルク救出作戦を題材に国民を鼓舞する映画を作りたいと考えていた。ロンドンでコピーライターの秘書をしていたカトリンに白羽の矢をたて、脚本担当に雇うことにした。カトリンはスペイン戦争で負傷した画家である夫を養っており、生活のためにこれを引き受けた。
カトリンはダンケルク救出作戦に参加したヒロインたる双子の姉妹への取材をはじめ、役者の注文や軍の横やりなど立ちふさがる難題を機転と粘りでつぎつぎと解決し、先輩脚本家のトムや老俳優らの協力を得てついに感動的な映画が完成する。映画館で喜ぶ観客の声を聞きながら、夫との訣別と今は亡きトムへの追慕にひたるカトリンだった。

☆4月6日まで上田映劇(上田市)で上映中

*アラゴンもダンケルクで救出され、九死に一生を得たのでした
*イギリス映画ではスペイン戦争の傷跡がでてくるものがありますね。「ミス・ブロンディの青春」など。
*映画の内容がわかるタイトルを考えてみました。「私の書いたダンケルク」「ダンケルクの姉妹とわたし」。



 第2次大戦中、空襲のロンドンで唯一上演を続けた劇場(実話)の映画化。

 ヘンダーソン夫人は富豪だった夫の死去によって莫大な遺産を相続する。その使い道を探していた夫人は、街で売りに出ているウィンドミル劇場を眼にして、これを買い取ってしまう。劇場の支配人として推薦されたのがヴァンダムというプロの男。面接の場でひと目で気に入った夫人は「あなたはユダヤ人でしょ」とズケズケ言うが、ヴァンダムは「遅刻したうえ、私に無礼な口をきいた」といって帰ろうとする。「私は劇場を持っている、それを自由に使っていい。あなたで失敗すれば、あなたを選んだ私の眼が節穴だったことになる。」との言葉にヴァンダムの気が変わる。「意見は言ってもいいが、最終的な決定権は私にある」というヴァンダムの主導で劇場経営が始まる。芸人のオーディションでも彼のシビアな選び方に不満をもつ夫人だったが、しぶしぶ従うほかなかった。

 当初はヴァンダムが提案したノンストップ公演が評判となり上々の滑り出しをしたものの、他の劇場が真似をしたために客足は落ち込み、経営は苦しくなっていく。そこで夫人は、女性の裸をステージで見せることを提案する。当時としては前代未聞、不可能と思われるアイデアだったが、夫人は幼なじみだった検閲官の長官トミーをご馳走して丸め込む。「美術館では裸の女性の絵が芸術として公開されている。ステージでも女性が動かなければ同じ芸術」と、女性が動かないことを条件に許可を取り付ける。

 ヌード上演の公開初日、美しいショーが終わると、視察で観客席にいた検閲官のトミーが真っ先に拍手をした。成功に湧くオープニング・パーティーにヴァンダムは妻を同伴して現われ、ヘンダーソン夫人に紹介する。彼に妻がいることを知って夫人はたちまち不機嫌になり、嫉妬心から妻を無視する行動に出る。ヴァンダムは妻への侮辱は許せない、と怒って劇場への出入り禁止を通告する。変装して劇場に入る夫人と、これを見つけてお仕置きをするヴァンダム。

 戦争が始まり、ナチスのパリ占領が報じられると、劇場はフランスを励ますべくマルセイエーズを歌い、ロンドンへの爆撃が始まると戦意高揚の演し物を演じるのだった。
 客席は兵士たちで溢れるようになり、踊り子たちに魅せられた兵士たちが楽屋口に見送りに来る。少年のように初々しい若者に声をかけた夫人は、年令が21才と聞いて、何故かお気に入りの踊り子と引き合わせようと画策する。

 ついに劇場に閉鎖命令が下された。爆撃が続く中、人が集まりすぎて危険という理由だった。劇場の前に集まった兵士たちや検閲官、新聞記者を前に夫人は大演説をする。
 「私の息子は前の大戦でフランスで戦死しました。21才でした。遺品から女性のヌード写真が出てきました。生の女性の裸も見ないまま亡くなった息子は犬死にでした。私が劇場を始めたのは、戦場に赴く若者に贈り物をあげたい、喜びを送りたいと思ったからです」

 ショーが再開されて盛り上がる舞台、夫人がいないことに気づいたヴァンダムが屋上に上がると、夫人は遠い空を眺めていた。ヴァンダムの誘いでダンスを踊る二人のあいだに相変わらずの辛辣なやりとりが続く。「足を踏んだわね、ダンスが下手だとインドでは紳士になれないわ」「これでもダンスには自信がある。あなたは困った人だが、そこがいい」

 行動的で茶目っ気のあるヘンダーソン夫人と一流の演出家にして中年男の色気を漂わせるヴァンダムとの掛け合い、口論が面白く、「まるで長年連れ添った夫婦みたい」。主演二人の演技と存在感が抜群で、脇役陣も見事だった。歌と踊り、ヌード美も楽しめた。ストーリー展開も歯切れがよく、メセージ性もあり、共感できた。英国の映画のレベルの高さを感じさせる作品でした。

監督 スティーヴン・フリアーズ
脚本 マーティン・シャーマン
出演 ジュディ・デンチ、ボブ・ホスキンス
2005年イギリス

ヘンダーソン

シャーロット・グレイ
第二次大戦下、フランスのレジスタンス運動に参加したイギリス女性の物語。

 ロンドンに住む看護婦のシャーロットは大のフランス好き。列車の中でフランス語の小説を読んでいると、同席の紳士からフランス・レジスタンスの連絡員にならないかと誘われる。恋仲になった英空軍パイロット・ピーターがフランス出撃中に行方不明になった。彼の消息を調べたい動機でフランスに行く気に。「信頼・希望・愛情。きみはどれを信じるか」と問われた答えは「希望」。
 厳しい訓練を受けた後、南フランスに送られ、パラシュートで降りたった。そこで地元レジスタンスの青年リーダー・ジュリアンと巡り合う。彼は共産党員だったが、レジスタンスを闘っているのは共産党しかないので彼らと協力するようにと上から指令された。軍や警察の支配下の活動で次々と試練に立たされるが、正義感と行動力で立ち向かう。レジスタンス女性連絡員との接触では、ピーターの事をひと言聞いたため、女性連絡員は逃げるタイミングを失い警察に捕まってしまった。映画「鉄路の闘い」さながら軍用列車襲撃に参加する。ドイツ軍の行進に向かって抗議の声を上げ続けるジュリアンに銃が向けられると、とっさに彼におおいかぶさってキスをし、彼を救った。ある晩、英空軍からの補給地点が敵に筒抜けになり、集合した仲間が皆殺しにあうが、情報を漏らしたのは戦後の共産党の力を恐れたイギリスからの司令とほのめかされ、権力の非情を知るのだった。
 ジュリアンの父親ルベードはユダヤ人の幼い兄弟をかくまっていた。シャーロットも面倒を見ていたが、彼らの父母はすでに収容所へ送られ、我が子への手紙も渡せなかったため、子どもは親への不信を抱いていた。ルベードは密告されて当局に連行されてしまう。そして別の家に匿われていた幼い兄弟も。シャーロットは警察の追及が迫る中、必死で手紙を書いた。自転車で走り、収容所へ向かう列車に間に合った。手渡された「母親から」の手紙、それは兄弟に希望を与える手紙だった。
 戦後、瓦礫の残るロンドン。死んだと思っていたピーターから手紙があり、再会する。しかし歴戦の彼女にとって彼は過去の人でしかなかった。ラスト、平和の戻った南フランスで再会した二人。満面の笑顔で「私の名はシャーロット・グレイよ」初めてジュリアンに自分の名を明かすと、ふたりは固く抱きあうのだった。
 ヒロインの大きな存在感と様々な表情変化が見応えがあり、最後にジュリアンと再開して見せる輝く笑顔は幸福感に包まれる。ストーリー展開もスッキリしてさわやかな読後感。

2001年 イギリス・オーストラリア
監督 ジリアン・アームストロング
原作 セバスチャン・フォークス
出演 ケイト・ブランシェット、ビリー・クラダップ

シャーロット

 ドレスデンの病院で働く看護婦のアンナは、次々と運び込まれてくる負傷兵の看護に献身的に働いている。地下室に隠れている負傷兵ロバートを見つけ、介抱するうちに激しい恋に落ちた。彼はドイツ爆撃に参加して撃墜された英空軍パイロットだった。
 イギリス空軍省はソ連軍のドイツ進軍を空から援助する名目でドレスデン爆撃を命じた。エルベ川のほとりにたつ美しい古都は1945年2月13日、連合軍の大空爆を受け、廃墟と化した。爆撃と火災旋風の中を逃げ惑うアンナとロバート。防空壕で窒息死や集団自殺する人びと。2万5千人とも15万人とも言われる一般市民が死亡し、残虐な無差別爆撃にイギリス国内からも批判の声が起きた。
 映画の最後は2005年に再建された聖母教会で平和の式典を行う人々の映像にアンナの顔も。

 正義感が強く情熱的なアンナにたいして、婚約者は優等生タイプでおとなしい医師、だがロバートはむっつりしているだけ。恋は盲目と言うが、婚約者がいながらなぜ戦時下、敵国の兵を恋したのか?観客を納得させるのは英国兵の魅力、存在感であろうが、ロバート役にはこれが希薄だった。ロバート・レッドフォードみたいな伊達男なら良かったのに。ドレスデンとイギリスとの和解というミッションのための恋愛ストーリーなのか?
 今でも2月13日はドレスデンの追悼の日で、ミサ曲が演奏されるという。ドイツがはじめて自国の空襲被害を映画化した作品というから、今まで声を上げるのを自重していたのだろうか?廃墟の映像は「戦場のピアニスト」を思い出させ、戦争の残虐性を厳しく告発している。2006年ドイツ、監督ローラント・ズゾ・リヒター。

アンナ

再建され、平和と和解の象徴となった聖母教会を見るアンナ

 ユダヤ系ポーランド人のピアニスト、ウワディスワフ・シュピルマンの体験記をもとにした映画。1939年9月1日のナチスドイツによるポーランド侵攻(第2次世界大戦勃発)から、ユダヤ人のワルシャワ・ゲットーへの強制移住、ワルシャワ・ゲットー蜂起(1943年4月)、1944年8月のワルシャワ蜂起、ポーランド解放までの悲惨な体験を描く。収容所(ガス室)へ送られる家族との別れ、理由もなく殺されるユダヤの仲間。しかしシュピルマンは多くの友人や地下組織の人びとの支援のおかげで奇跡的に生き延びた。
 ゲットー蜂起が鎮圧され、銃殺されるユダヤ人たちを隠れ家から見ていて「無駄だった」というシュピルマンにたいして、「なんていうことを言うの、彼らは誇り高く死んだ。だからこそ、次は私たちポーランド人が立ち上がる、ドイツ軍と戦うの」と、支援に来た身重のドロタは確信をもって語るのだった。

戦場のピアニスト

監督 ロマン・ポランスキー
2002年 ポーランド・フランス合作