夜 花火をした。
ことしも やねにのって見たかったが だめだといったので
共立農機の横の道で のりちゃんたちと見た。
ことしも、のりちゃんと、花火に名前をつけて おもしろがった。
*井の頭公園の花火、少し遠いのですがよく見えました。
8月9日 金曜日 くもり
駅前にとりもちを買いに行った。
おとうさんに いらなくなったつりざおのさきをもらって、そこにとりもちをぬった。
ずいぶん とりもちがあまった。
森に行くと ひぐらしを一ぴき見つけると とった。
せなかに なんかのよう虫がいたので かわいそうだ。
8月8日木曜日 雨
やどかりを買いに行った。四ひきかったが弟が二ひきにがしてしまった。せんめんきにいれて、わりばしのはしごをいれた。おがら(*)をつなげてのぼらせた。
*おがら:花屋で扱うお彼岸の供え物の材料。木の枝をさらして白くした細い棒で、きゅうりやナスに4本足のように刺して牛や馬にします。また、さいごにお供えを燃やすときに使います。

8月7日(水)──1958年 小5
やねにのって はちのすをとった。
みんなのうちがよく見える。
はちのすを一つとって、おりた。みのるちゃんの家のやねにも大きなのがあったので、あみをつなげてとった。
はちの子がはいっていたので二、三ことって池に入れて金魚にあげた。
あとは前みたいにかえすつもりだ。
*8月5日「まわり将棋」の続きです。「みのるちゃんの家」とは西隣りの加藤さんの家で二階屋でした。
8月4日 日曜日 はれ
金魚の子の色が赤っぽくなった。
大きいのは三センチもある。
あとからうまれた小さいのは食べられたようだ。
弟とぼくのはたけをつなげた。弟のはたけは草がいっぱい生えているが ぼくの畑は草がちょっとはえているだけです。
ほていあおいも むらさきの花をさかせた。
*庭に小さな池を作って、金魚などを飼っていました。その後、大きめの池をつなげるように作り、博光さんが釣ってきた鯉を放しました。さらにもう1回大きめの池を作ったので、庭は池が主役になってしまいました。
8月2日 金曜日 くもり
学校でひこうきを作った。ぼくはプロペラとはねのかたちしかできなかった。
家に帰って つづきを作ったが きょうじゅうには作れそうもない。
夜 家中で駅前通りに行った。妹の三輪車とぼくや弟の本を買って 青木屋で氷をのんだ。
8月1日 木曜日 晴
森にせみをとりに行った。二つ ひぐらしのひみつを作った。ぜんぶであぶらぜみ一ぴきとひぐらし七ひきとった。あとから早川くんたちがきて、ぼくをつかまえて せみをさがせられた。
ほかりくんのお兄さんがきたので みんなと帰った。
自宅の南側の麦畑のさきに雑木林があり、セミやカブトムシ、クワガタの宝庫でした。奥の方は藪が密林状態で分け入るのもむつかしかった。その先に三福パンの工場があり、美味しそうなイーストの匂いがただよってきました。今は大成高校のグラウンドになっています。雑木林は「どんぐり公園」の名で親しまれて、博光さんの散歩コースでしたが、今はマンションになってしまいました。
右手のマンションがかつてどんぐり公園だったところ。左は麦畑だった。正面奥の公団住宅は以前は低層だった。境界の小川と橋は今も残っています。
7月31日 水曜日 はれ
せんたくをしていると、のりちゃんがきて、映画を見に行こうといって弟をさそって、あと一時間したら行こうと言った。
ぼくも行きたくなって おとうさんに言ったら、「おかねがないから店に行ってもらってきなさい。」と言ったので とりにいった。
映画を見ていると妹が帰りたいというので、ぼくと妹だけで帰ってきた。
*お母さんが花屋の店をやっていたので、洗濯もぶうわの仕事だったのですね。風呂桶に井戸から水をくんで入れ、薪でわかすのも子どもたちの仕事でした。⇒「花屋のお母さん」
お金がいるときは歩いて十分ほど離れた店にもらいに行ったようです。映画はどこで何を見たのか覚えていませんが、幕や座席があり、お金も取っているので、野外映画ではなくちゃんとした映画館だったようです。おそらく「三鷹文化」で夏休みむけに子供だけで入れる映画をやっていたのでしょう。
7月30日 火曜日 晴れ
みんなで本しょうぎをした。
きんちゃんのと ささ木き君のと眉山くんのと桜井君のでした。はじめささ木君とした。ささ木君にかって、桜井君にまけて、丸山くんとはいつまでたってもしょうぶがつかないのでひきわけで、一勝一敗一ひきわけで、ほかりくんとしていると妹が「おとうさんがよんでいるよ」とよびにきたのでやめた。
7月29日 月曜日 はれ
夕方、弟とかぶとをとりに行った。ひぐらしが「カナカナ」とないているので、ちかずいてさがしたが、くらいうえにはねがすきとおっているのでみつからない。
ねこの親が一匹 子が四ひきいた。弟はせみの子を1ぴきみつけたが、そのほかはなにもとれなかった。