詩誌『歌ごえ』 

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千曲川

大島博光記念館へようこそ。
長野詩人会議が中心となって建設運動をすすめ、2008年7月にオープンしました。
愛と抵抗を歌った博光の詩の世界にふれていただけます。


歌ごえ

戦後の昭和23年に大島博光が創刊した詩誌『歌ごえ』の2号が見つかりました。腰原先生が提供くださいました。新しい詩運動を始めた当時の息吹が感じられる貴重なものです。

歌ごえ


<執筆者>
サカイ・トクゾウ(坂井徳三)
大島博光
遠地輝武・・・ナップ、『角笛』
奈切哲夫・・・『新領土』
鈴木初江
武内辰郎・・・『蝋人形』
鈴木正志
濱田初廣(浜田初広)・・・高知、農民詩人、国見善弘を歌った詩
小田英・・・上田、農民詩人
北條さなえ ・・・新日本文学、『角笛』
関口政男・・・『蝋人形』『角笛』
勝山勝三
鶴見甚三郎
徳永壽
濱田耕作
池田時雄・・・『新領土』
仁木二郎・・・ナップ
眞貝欽三・・・新日本文学
上田進・・・早稲田大学露文科卒、ナップ、上田
表紙 藤井令太郎
カット 宮城輝夫

歌ごえ


発行は昭和23年4月15日、編集所は長野市吉田町押鐘30番地となっています。
詩誌『歌ごえ』は3号までは発行しましたが、1号しか保存されていません。3号は手元にあると青山伸が『長野県年刊詩集1960』に書いています。博光のメモから3号は次のような内容と推定されます。

『歌ごえ』3号 目次(推定)

断章 その一 その二 その三 その四・・・壺井繁治
アンケート 詩と詩人とヒュマニズム 特集
預言者の任務・・・新島繁
封建的抒情の駆逐・・・岡本潤
働く者のヒュマニズム・・・浅井十三郎
民衆の歌ごえ・・・小野十三郎
叙事詩 とんきち二等兵・・・サカイ・トクゾウ
作品コンクール
ソヴェートの詩(三)・・・上田進



新しい朝の歌

(『歌ごえ』創刊号 1948年)
『歌ごえ』創刊号 目次

(巻頭)創刊のことば(新しい朝の歌)・・・大島博光
詩の前進のために・・・壺井繁治
ソヴェートの詩・・・上田進
轉形期の詩人・・・平林敏彦
ー作品─
 舊友・・・岡本潤
 方向性・・・高橋玄一郎
 一つの燈火は・・・高田新
 警察署長殿・・・穂刈榮一
 子守歌・・・岡村民
 牛車にゆられて・・・佐藤さち子
 おまえは・・・岡田芳彦
 コメをとられた女・・・長谷川尚
 山羊・・・武内利榮
 愛・・・藤田三郎
 ヨーカイ・・・近藤東
国鉄にあがる歌聲・・・鈴木茂正
長詩 鍛冶屋・・・ランボオ 大島博光譯
ランボオについてのノート(一)・・・大島博光

カット  宮城輝夫・大宮昇

昭和23年3月15日発行 
山川書店 長野市西長野二番地

博光は戦後の詩人としての再出発にあたり、詩誌『歌ごえ』を昭和23年に発行した。『歌ごえ』前後の北信地方の詩人の活動について青山伸が書いている。
  *   *   *
 敗戦翌年の二十一年一月、北信地方の地元や、疎界していた詩人たち、鈴木初江、岡村民、小出ふみ子、大島博光、穂苅栄一、篠崎栄二、田中聖二、武井つたひ、らが同人となつて、詩誌としては全国最初の発行である「新詩人」を出した。これらが現在まで十数年、百七十号近く続けられたのは、小出ふみ子の詩に対する強い熱情と努力にほかならず、敬服する。北信や県下ばかりでなく、同人会員は全国に及んで、ここから数多くの詩人が生れた。なお、そのほかNHKの詩の選者をはじめ、詩のグループやサークルの指導にと、小出の存在なくしては「新詩人」はありえないだろう。
 二十一年三月、更埴市の武井つたひ方で、北信詩人協会を結成し、季刊誌発行。それがどんなものであつたか詳でない。
 二十一年十月、大島博光、武井つたひ、高橋玄一郎、田中聖二、穂苅栄一らによつて、全信州詩人連盟がつくられた。現在の県詩人協会のさきがけであつたろうか。この連盟がどのような経果や盛衰をたどつて消えてしまつたのか、先輩詩人に聞きたいものだ。協会を運営発展していく上に参考となるだろう。
 二十三年一月、大島博光編集による詩誌「歌ごえ」が長野市から発行された。これには社会主義或は民主主義の詩人らが集り、自由、平和、独立の名のもとに、戦争中、うたう事は勿論、沈黙さえもゆるされなかつた、弾圧された詩人たちが、高らかにうたい始めた。
 この「歌ごえ」と大島博光の人間的魅力が相ともなつて、この北信地方の労組や地域サークルの詩人たちへの刺戟となり、大島を中心とした若い詩の書き手が力強く育つていつた、記念すべき詩誌とも言える。
 私の手もとには「歌ごえ」の三号一冊のみ残つているが、大島博光、浅井十三郎、壷井繁治、岡村民、植村諦、サカイトクゾーら現在も活躍している戦前からの詩人がいる。
 ちようどこの頃、新日本文学会長野支部結成の動きがあり、その運動のために東京から来た壷井繁治や、長野にいた大島博光などを囲んで、座談会を開いたのに刺激されて「高原文学」を発行した。詩人からは、穂苅栄一、立岡宏夫、井上志朗が編集同人となつて参加した。(以下略)

(『長野県年刊詩集』1960 ──戦後・長野県詩人の活動 北信地方/青山伸)

うたごえ
戦後、松代で出版した詩誌「歌ごえ」創刊号が見つかりました。

うたごえ
「歌ごえ」創刊のことば。当時の博光先生および取り巻く人たちの沸き立つ熱情があふれ出しています。
うたごえ
うたごえ後記

昭和23年3月15日発行とあり、今年は61周年になります。住所が松代町馬場町1407番地とあり、親友だった長谷川健先生のお宅の近所に住んでいたことがわかりました。