戦前、大島博光が松本隆晴に連日のように送ったはがきはスーツケースに溢れるほどになったといいます。(松本隆晴「大島博光と交友」信濃毎日新聞)
戦後、松本隆晴はこのうちの46枚を選んで原稿用紙に清書し、「はがき詩集」と題して博光に送りました。これによって当時の博光の心象や松本隆晴との交流の一端をうかがい知ることができます。
◇ ◇ ◇ ◇
残暑が厳しくて仕事が手につきません。
空の色には秋の色が見えるのですが地上は熱帯で、タヒチ風のいでたちで暮しています。
お葉書を整理しましたら、百数十通ありましたが、その中からポエジーの高揚したものを選んで見ました。
三十数年前の時間が生きて語りかけているようです。
これから蝋人形その他の詩を探し出して写します。
とり敢えず葉書ポエジーだけをお送りします。
時節がらご自愛のほどを。
五十二年九月十二日
松本隆晴
大島博光様
戦後、松本隆晴はこのうちの46枚を選んで原稿用紙に清書し、「はがき詩集」と題して博光に送りました。これによって当時の博光の心象や松本隆晴との交流の一端をうかがい知ることができます。
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残暑が厳しくて仕事が手につきません。
空の色には秋の色が見えるのですが地上は熱帯で、タヒチ風のいでたちで暮しています。
お葉書を整理しましたら、百数十通ありましたが、その中からポエジーの高揚したものを選んで見ました。
三十数年前の時間が生きて語りかけているようです。
これから蝋人形その他の詩を探し出して写します。
とり敢えず葉書ポエジーだけをお送りします。
時節がらご自愛のほどを。
五十二年九月十二日
松本隆晴
大島博光様