一月廿一日 快晴 風あるもあたたかい
夕方、駅前にでかけて、この自由日記帳を買う。去年はほとんど何も書かなかったので、ことしは日記ぐらいは書こうと発心して、これを買ったのだが、どれほどつづくことやら。
この日記帳とともに、買物かごのなかに買いこんだものは、レモン二個、キリン炭酸水二本、キャベツ一個、そば二つ、ひき肉一包み。こんやもボリシチ。
昼のあたたかい光りには、もうどことなく春のけはい。雑木林のうつくしさが目につく頃となる。ジンフィズをのんで、早春の詩情をおもう。ぼつぼつ詩も書かねばなるまい。
「レーニンとプロレットクリト」の訳詩、きょうはすすまず。
(「随想日記」)
夕方、駅前にでかけて、この自由日記帳を買う。去年はほとんど何も書かなかったので、ことしは日記ぐらいは書こうと発心して、これを買ったのだが、どれほどつづくことやら。
この日記帳とともに、買物かごのなかに買いこんだものは、レモン二個、キリン炭酸水二本、キャベツ一個、そば二つ、ひき肉一包み。こんやもボリシチ。
昼のあたたかい光りには、もうどことなく春のけはい。雑木林のうつくしさが目につく頃となる。ジンフィズをのんで、早春の詩情をおもう。ぼつぼつ詩も書かねばなるまい。
「レーニンとプロレットクリト」の訳詩、きょうはすすまず。
(「随想日記」)
1977年8月25日〜
上高地より徳沢、涸沢、北穂にゆく
徳沢あたりの道ばたの木に「捜し人」の札がさがっている。若い女の人というか娘さんらしい写真がついていて、横尾山荘から焼岳に向ったまま消息不明なので、気づいたひとは連絡されたい、という。
二日目 徳沢を出発 横尾をとおり、壮大な屏風岩を眺めながら、出合いの沢に出る。これからがたいへんな急の登りで、身にこたえる。十歩あるいては一と息いれる。それでももうからだが言うことをきかず、ふらついてくる。チョコレートをなめて力をつけ、またもぼる。ふつう三時間の行程が六時間かかる。五時半頃涸沢ヒュッテに着く。雨のため、北穂も奥穂も見えない。
上高地より徳沢、涸沢、北穂にゆく
徳沢あたりの道ばたの木に「捜し人」の札がさがっている。若い女の人というか娘さんらしい写真がついていて、横尾山荘から焼岳に向ったまま消息不明なので、気づいたひとは連絡されたい、という。
二日目 徳沢を出発 横尾をとおり、壮大な屏風岩を眺めながら、出合いの沢に出る。これからがたいへんな急の登りで、身にこたえる。十歩あるいては一と息いれる。それでももうからだが言うことをきかず、ふらついてくる。チョコレートをなめて力をつけ、またもぼる。ふつう三時間の行程が六時間かかる。五時半頃涸沢ヒュッテに着く。雨のため、北穂も奥穂も見えない。